オールシーズン大活躍のTシャツ&カットソー。色、柄、デザインもさまざま、インナー用からコーデの主役となるTシャツまで、ファッションに欠かせない重要アイテムです。
でも、その種類の多さゆえ、何を選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、基本的な知識として、Tシャツ・カットソーの種類と特徴を解説します。
違いがわかれば、服選びのポイントもつかめます。ファッションがもっと楽しくなりますよ。
Tシャツとカットソーの違いとは?
「そもそも、Tシャツとカットソーって何が違うの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
一般的な使い分けは、「Tシャツ=スポーティ」「カットソー=おしゃれ」といったところ。
でも、境界線はかなり曖昧です。呼び名はけっこういい加減なんですね。
では、ここで、その違いをはっきりさせましょう。Tシャツとカットソーは何が違うのか? 見分け方を簡単にご説明します。
まず、Tシャツやカットソーはニット製品です。ニットとは、編まれている素材。シャツのような織物ではない、収縮性のある生地です。
「ニット=セーター」のイメージが強いので、ちょっと違和感がありますよね。ざっくりと分類すると、以下のようになります。
Tシャツの他に、スウェットやポロシャツ、タンクトップもニットです。これらをひっくるめたものがカットソーなのですね。つまり、Tシャツはカットソーの仲間の一つであると。
では、カットソーとセーターの違いは何なのでしょうか?
決定的な違いは、作り方です。
セーター:すべて編み
カットソーは英語で「cut&sewn(カット&ソーン)」。文字通り、ニットを裁断し(カット)、パーツを縫い合わせる(ソーン)ことから、この名がついています。
一方、セーターは裁断しません。パーツはすべて編み立てられます。
見分け方のポイントは、服の裏側。カットソーには裁断面やミシンの縫い目があるのに対し、セーターには裁断されたあとが見られません。
以上が、それぞれの違いなのですが、何だかややこしいですよね。
カットソーが作り方で、Tシャツがデザイン(服の形)の名前であることもわかりにくい原因だと思います。たとえば、ニットTシャツは、すべて編み立てられたTシャツ。上の分類で言うと、カーディガン、プルオーバーに並びます。だから、「カットソー=Tシャツ」というわけでもないんですよね……。
まあ、細かいことを言い出すと面倒なことになるので、買い物をするときにはあまり気にしなくて大丈夫です。むしろ、製造工程がどうのこうのと薀蓄たれるとウザがられるので、黙っておきましょうね。
Tシャツの種類(素材、生地、ネックラインの違い)
次に、Tシャツ・カットソーの印象を左右する素材、生地、デザインの違いを見ていきましょう。
素材
使われている繊維によって、肌触りはずいぶん変わります。機能性もさまざまです。メンズTシャツで使われることの多い素材を見ていきましょう。
綿(コットン):Tシャツの王道
Tシャツの素材で圧倒的に多いのが綿(コットン)です。丈夫で、肌触りが良く、吸水性にすぐれています。
難点は、縮みやすく、シワになりやすいこと。毛羽立ちも目立ちやすいです。
麻(リネン):夏におすすめ
さらさらとした清涼感が魅力の麻素材。吸水性にすぐれているので、洗濯するたびに生地が柔らかくなり、肌になじみます。乾きやすいのも特徴の一つで、汗ばんでもべたつきません。真夏でも快適な天然素材です。
ポリエステル:取り扱いやすい素材
化学繊維の代表的な素材がポリエステル。シワになりにくく、乾きが早い。丈夫で扱いやすいため、スポーツウェアにも多く使われています。リーズナブルな価格帯も魅力の一つ。
難点は、毛玉ができやすく、静電気が起きやすいこと。肌触りが苦手な人も少なくないようです。
それぞれの長所を活かした綿×ポリエステルの混紡Tシャツも多く販売されています。
生地(編み立て方)
編み方によっても、着心地や風合いは変わります。主な編み立て方は次の3つ。
天竺編み(平編み、メリヤス編み):Tシャツの定番
もっとも一般的なのが天竺編み。丈夫で、適度な伸縮性のある着心地の良い素材です。表にタテ方向の筋が見えるのが特徴的。日常着にぴったりです。
フライス編み:アンダーウェア向け
フライス編みは、横方向によく伸びます。強度のある編み方で、身体のラインが出やすくなっています。
アウターにひびきにくいため、アンダーウェアに使われることが多い素材です。
鹿の子編み:スポーツウェア向け
ポロシャツの定番、鹿の子編み。Tシャツで使われることもあります。凹凸のある編み目が特徴的で、肌に触れる面積が少なく、さらりとした肌触りになっています。吸湿・速乾性、通気性にもすぐれるため、スポーツウェアなどにも使用されています。
ネックライン(首元のデザイン)
首元のデザインも押さえておきましょう。お店で見かけることの多いネックラインは次の5つ。
ラウンドネック(丸首)
いわゆる普通の丸首。カットの大きさや深さによって、雰囲気が変わります。
Vネック
V字型のネックライン。スポーツ用Tシャツでよく見られます。オシャレとして取り入れる場合には、すっきりとした印象になります。デザインによってセクシーさやワイルドさを演出することも可能。丸顔の人におすすめ。
Uネック
U字型のネックライン。ラウンドネックに比べて襟元が広くなっています。最近は、丸首とUネックの線引きがかなり曖昧になっています。
ボートネック
浅い船底型(ボート)のネックライン。ゆるやかな曲線で、横に広くカットされています。
爽やかなマリンスタイルなどに取り入れやすいデザインです。
ヘンリーネック
丸首にボタンがついたデザイン。胸のあたりまでのあき(前立て)があります。
ちなみに、ヘンリーは英国テムズ河畔の町の名前。毎年ボート・レースが行われる有名な場所で、そのレース選手が着ていたヘンリーシャツの衿の形から命名されたそうです。
おしゃれ白Tシャツと肌着
近年、白Tシャツがおしゃれ着として流行していますが、肌着との見分けはわかりますか?
「グンゼとかヘインズは肌着でしょ?」
そんな意識で見ていると、ますます違いがわかりません。最近は、下着メーカーが販売するTシャツが、おしゃれ着としてセレクトショップに鎮座しています。
ファッション用Tシャツと肌着用Tシャツの違いは、サイズ(フィット感)、シルエット・縫製にあります。デザインによって微妙なところもありますが、確実なポイントは次の3つ。
- 胸ポケットがついている
- 着丈が短い
- 裾のサイドにスリットがある
- 厚手のごわごわとした生地感
これらの特徴があるTシャツは、ファッション用です。
肌着用のTシャツは、あくまでも肌を守ることが目的ですので、肌にフィットして柔らかな素材が使われています。フライス編みの生地ですね。また、装飾もありません。3Pパックになっているものの多くは肌着です。
最近は「シンプルTシャツをお洒落に着る!」みたいなファッション誌のコピーもありますが、あれはファッション上級者向けです。肌着っぽいシンプルTシャツは見えないように着るのがベターです。
ポケットやスリットのあるデザインでも、白Tシャツ1枚でおしゃれに着こなすのは難しいので、他のアイテムとセットで着るのが無難です。いくらセレクトショップで買った高価格の白Tシャツでも、着方を間違えるとただの下着になってしまいます。白い肌着が透けてるがイヤという女子もいますので、要注意。
しっかりとした厚手の生地を選ぶと、いかにも肌着という感じは緩和されます。ヨレヨレ感のない素材を選びましょう。