「寒い日に羽織れるコートがほしいけど、どんなの買えばいいの?」
「着こなしやすいのはどれ?」
新たに買い足そうと思っても、値の張るコートは何を買ったらいいか迷ってしまいますよね。
まずは、どんなコートがあるか定番のデザインを知っておきましょう。
種類と特徴、合わせ方のポイントを押さえておけば、アウター選びの参考になります。
最低これだけ覚えておけばOKなコートをまとめましたので、さっそくチェックしていきましょう。
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【冬のメンズファッション】失敗しない基本服&初心者向け簡単コーデ(カジュアル編)
Pコート(ピーコート)
メンズファッションプラス
Pコートは厚手のウール生地で作られた上着。腰丈で、ダブルの前あき。ボタンには錨(いかり)のマークが描かれています。
Pコートの「P」は、表面が毛羽立った厚地の織物・ラシャのコートを意味する「pij(pij jekker)」に由来するそうです。これとは別に「錨(いかり)の爪」の「ピー(pea)」を意味するという説もあるそうな。どちらかというと、オランダ語の由来が有力のようです。
もともとは、イギリス海軍の軍服として着用されていました。また、水兵だけでなく、厳しい気候のもとで働く漁師たちの間でも親しまれていました。
大きなダブルの襟は、左右どちらでも閉じられるになっています。これは、風向きによって変えられるように工夫されたもの。さらに、片方のボタンが壊れても使えるようにする機能的な意味もあります。
どんなスタイルにも合わせやすいPコートは、男女ともに幅広い年齢層で親しまれています。
ステンカラーコート
Upscape Audience / SPU
ステンカラーは、後ろの襟腰(襟の高さ)が高く、前の襟は低くペタンとした印象の四角い襟のこと。
袖はラグランスリーブになっており、襟ぐりから脇下にかけて斜めの切り替えが入っています。最近は、なで肩を強調するラグラン袖以外のデザインも増えています。
前立てのスマートなデザインも特徴です。前を閉めたときに第一ボタン以外はすべて隠れる「比翼仕立て」というデザイン。ボタンが隠れることで、上品な印象を与えます。
素材、色、丈の長さはさまざまで、デザイン次第で数多くのシーンで使える万能アイテム。直線的なスッキリとしたシルエットは、男性のビジネス用コートとしても親しまれています。
ステンカラーコートは日本独自の呼び名です。別名は、バルカラーコート、バルマカーンコート、スタンドフォールカラー。
トレンチコート
防水素材でできたダブル襟のベルトつきコート。肩にはバンド状の飾り(肩章)がついています。
もともと、イギリス陸軍の防水用コートとして開発されたもので、第一次世界大戦で広まったといわれています。
ぬかるみ(塹壕)での戦いに耐えたことから、塹壕(ざんごう)を意味するトレンチの名がつきました。
すっきりと美しいシルエットと実用性の高さから、今では男女ともに愛されるファッションの大定番となりました。スーツスタイルにもカジュアルスタイルにも合わせられる万能アイテムです。
特に日本ではベージュのトレンチが大人気で、海外のとある有名デザイナーはトレンチコートだらけの光景に驚いたといいます。
チェスターコート
Audience / SPU
テーラードジャケットのような襟のあるロング丈の上着で、一般的な長さは膝丈です。
19世紀に英国のチェスターフィールド伯爵がはじめて着たコートといわれています。
イギリスのフォーマルウェアが発祥ということで、礼装としての印象がありますが、最近はビジネスやカジュアルウェアと合わせて着ることが増えています。
ファストファッションでも販売されているため、気軽に日常のコーディネートに取り入れられるようになりました。
羽織るだけでスラリとしたスマートなスタイルができ上がります。きれいめファッションの必須アイテムとも言えるコートです。
ダッフルコート
厚手のフード付きコート。ダッフルは厚手の粗いウール素材のことです。ショート丈とロング丈があり、色やシルエットによっても印象は変わります。
もともとは北欧の漁師が簡単に着脱できる防寒用の仕事着として着ていました。それを第二次大戦で英国海軍が採用。大戦後に余剰在庫品が市場に出回り、一般化していきました。
特徴は、角型の留め具(トグル・ボタン)と紐のループ。手袋をしながらでも脱ぎきしやすいよう、このデザインになったといわれます。また、軍服の上から着られるゆったりとしたシルエットも特徴です。
「ダッフル」は、ベルギーの都市デュフェル(英語名ダッフル)に由来します。デュフェルは、ダッフルコートに使われるメルトン生地の原産地です。
日本では男女、幅広い年齢層に愛用されています。中学生・高校生がスクールコートとして着用することもあります。そのため、子供っぽい印象を持っている人も多いのですが、着こなしによって表情を変える親しみやすいコートです。
カジュアルで柔らかい雰囲気のスタイルを作りたいときに重宝します。
ミリタリーコート、モッズコート
メンズファッションプラス
軍用コート・ジャケットとして着用されたアウターにはさまざまな型があります。
・MA-1
・M-65
・M-51(モッズコート)
・N-3B
この他に、Pコート、トレンチコート、ダッフルコートも発祥は軍用です。
ミリタリーコートとして販売されているコートの多くは、モッズコートの名で親しまれている「M-51」風。つまり、モッズコート=ミリタリー風コートです。日本国内では、このあたりの定義は曖昧になっています。
「モッズ (mods)」は、「モダーンズ」を略した俗称です。1960年代~イギリスのストリートファッションとして流行しました。
もともとモッズコートは、フィールドジャケットの上に羽織るパーカとして使用されていました。最近は、他のミリタリーアイテムを掛け合わせたような防寒性を重視したデザインが多く、ライナー付きのコートやファーの取り外しができるものもあります。
季節に合わせて温度調節ができる便利なアイテムです。
男性に人気のミリタリージャケット。街中でもよく目にするアイテムです。 しかし、フ ...
初心者のためのミリタリージャケット入門・定番の型4つと特徴
ダウンジャケット・コート
キルティング加工されたナイロン素材にダウン(羽毛)を詰めた服。軽くて温かく、保湿性にすぐれているため、極寒地の作業服として着用されてきました。体から出る汗を放出する点も大きな特長です。
日本では、アメカジやアウトドアファッションの流行とともに一般化しました。ファストファッションブランドでも販売され、冬の防寒着に欠かせないアウターとなりました。丈の長いダウンコートは女性に人気です。
手頃に買えるダウンは、ダウンフェザーが使われていないダウン風ジャケットであり、本物ではないという人もいます。しっかりとしたものを買おうと思うと数万円はざらです。カッコよく着こなしたい人は品質にこだわると、より魅力的な着こなしができそうですね。
カジュアルでワイルドな印象を演出したいときにぴったりのアイテムです。防寒着としての機能性はピカイチ。
キルティングジャケット・コート
キルティングは、表布と裏布の間に綿を入れて縫い合わせることを言います。縫い合わせた生地は「キルト」とも呼ばれます。洋服で使われるキルティング地の多くはダイヤ型の模様です。
キルティングジャケットは、ナイロンやポリエステルの素材が多く、薄くて軽い防寒用アウターとして親しまれています。最近は、ウールや混紡を使ったクラシックな印象のキルティングジャケットも出ています。
オンオフ問わず使えるアイテムで、ビジネススーツの上に羽織っている人も街でよく見かけます。カラーバリエーションも豊富で、着丈が長めのキルティングコートも多数出ています。
ランチコート
羊の一枚革(ムートン)を使ったショートコート。羊の皮のモコモコ部分が内側にくるように作られています。
「ランチ(ranch)」はアメリカの大牧場を意味で、そこで働くカーボーイの屋外作業用の防寒コートとして着用されました。
羊の毛皮を裏側に生かした皮革スエードを使っていることから。シアリングコート(毛を刈り込んだ羊皮のコート)とも呼ばれます。
最近は、子牛や子ヤギの皮を使ったスエード素材や、コットンスエードの裏にボアを貼ったタイプも増えています。
防寒性が高く、ワイルドな雰囲気を演出するアイテムです。アメリカ西部のウエスタンスタイルにぴったり。
まとめ
お店で見かける定番のコートを9種類ご紹介しました。
気になるコートはありましたか?
- ピーコート
- ステンカラーコート
- トレンチコート
- チェスターコート
- ダッフルコート
- ミリタリーコート、モッズコート
- ダウンジャケット・コート
- キルティングジャケット・コート
- ランチコート
この中でおすすめ第1位を選ぶなら、Pコート。合わせやすく、スマートに決まるアウターです。防寒具としてもばっちり。
着る人を選ばないアウターは、モッズコート。パッと羽織るだけで、カッコよく決まります。中の服が隠れるので、初心者でも取り入れやすく、おすすめです。
春に着るアウターを選ぶなら、ステンカラーコート。シンプルでクセがないので、着まわしやすいのが◎
これ以外のコートも素敵なデザインがたくさん出ているので、気になるアイテムがあれば、ぜひチェックしてみてくださいね。
【Pick up!】おすすめアイテム
カジュアルにもキレイめにも使えるショート丈のメルトンPコート。
「メルトン」は、厚手で滑らか、フェルトのような質感の生地です。保湿性が高く暖かいので、冬アウターによく使われます。
ベーシックな黒とシンプルなデザインは使い勝手抜群で、長く着られます。
こちらのアイテムはS~XLの4サイズ展開。
一枚は持っておきたい大定番の冬アウターです。