男性に人気のミリタリージャケット。街中でもよく目にするアイテムです。
しかし、ファッションにおけるミリタリーアイテムの定義はかなり曖昧です。
そこで、今回は基礎知識として、定番のミリタリージャケットの型番と特徴を簡単にまとめました。
ミリタリーとは?
ミリタリー(military)は「軍の」「軍隊の」を意味します。その名の通り、戦時中に軍服として着用されたジャケットが「ミリタリージャケット」。
さらに細かい分類として、以下の呼び名もあります。
陸軍:アーミー
海軍:ネイビー
空軍:エアフォース
基本的にはこれらをすべてまとめてミリタリーと呼んでいます。
戦う軍人の衣服であるため、機能性や耐久性に優れています。軍服独自のデザインは、インパクトがあって強そうな印象が強く、男心をくすぐります。これらが根強い人気の所以でしょう。
それぞれアイテムには型番があるのですが、種類が多く、国ごとに特徴も違うため、これらをすべて把握するのは大変です。
さらに、ファッション業界がつくるミリタリーアイテムは、あくまでもミリタリー風。本物のミリタリーアイテムとはちょっと違うので、だいたいの雰囲気を理解しておけばOKです(マニアの方々からすると「そんなもの本物ではない!」と言いたくなるような商品が多いようです)。
それでは一つずつチェックしていきましょう!
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お店で見かけるミリタリージャケット4種
MA-1(エムエー ワン)
ここ数年人気が高まっている「MA-1」。ユニクロでもイチオシ商品として売られていたので、その名を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
MA-1は、アメリカ空軍で採用されたフライトジャケット。
着丈が短く、えり・そで・すそ部分がリブになっています。オレンジの裏地も特徴的。これは、第5世代以降から採用されたディティールで、古いタイプのジャケットには見られないデザインなのだとか。
モコモコしがちなシルエットなので、ちょっと合わせるのが難しいアイテムです。大きすぎるサイズだと野暮ったくなってしまいます。サイズ感に気をつけて、細身のパンツやきれいめ服と合わせてバランスを取るべし。
M-51(エム ゴーイチ)
「M-51」、通称「モッズコート」です。モッズコートの定義はかなり曖昧で、本物を知る方からすると笑止千万なようですが、細かいことは気にしない。
「踊る大捜査線」で織田裕二さん演じる青島刑事が着用したモデルとして有名です。「青島コート」なんて呼び名もあるとか。最近だと、SEKAI NO OWARIのメンバーが「ドラゴンナイト」で着用していましたね。
もともとは、フィールドジャケットの上に羽織る軍用パーカとして着用されていました。アメリカ軍の極寒防寒服の51年型モデルです。
これをモッズ族と呼ばれるロンドンの若者たちがファッションとして取り入れて、大衆化されていきました。「モッズ (mods)」は「モダーンズ」の略称、モダンジャズやモダニストを自称したことに由来するのだとか。
M-51は、フード付きのロング丈コート。ファー付きのデザインも多く出ていますね。特徴的なのは、「フィッシュテール」と呼ばれる裾の後ろが割れたデザインです。
M-65(エム ロクゴー)
M-65は、アメリカ軍で採用されたフィールドジャケット。寒冷地用のアウターとして支給されました。
取り外しできるライナーやフードを襟部分に収納できるデザイン、四角いフタ付きポケットが特徴です。素材はコットンとナイロンの混紡。
カジュアルアウターとしての人気も高く、芸能人にも愛用者多数。さまざまな映画の主人公も着用しています。
N-3B(エヌ スリービー)
N-3Bはロング丈のパーカ付きナイロン製ジャケット。極寒地用に開発されたフライトジャケットです。
表地はナイロンと綿の混紡でMA-1に似た素材感。間には中綿が挟まれています。ファスナーの上にボタンでとめられる前あきも特徴的。ボタンが大きめなのは、手袋をしたままでも着脱できるようにするためです。
風を通さず、熱を逃さないデザインは、保湿性、防寒性を高めます。ここで挙げたミリタリーアウターの中でもNo.1の暖かさです。
一見M-51と似ていますが、N-3Bはモコモコでボリューム感があります。見分け方はフロントボタンのデザイン。モッズコートと良いとこ取りのようなアイテムも販売されていますね。
ちなみに、これとよく似たデザインで丈の短いものは「N-2B」と呼ばれます。
まとめ
定番のミリタリージャケット4種は、
MA-1(エム エーワン)
M-51(エム ゴーイチ)
M-65(エム ロクゴー)
N-3B(エヌ スリービー)
「そもそもモッズコートとは?」などと言い出すと収拾がつかなくなるので、何となく知っておけば大丈夫です。多くの人はそんな感じです。
これらのジャケットはもともと軍服ということで、カーキ色が定番カラーとして人気ですが、合わせやすい色を選ぶのであれば、黒がおすすめ。
ただし、こちらでも書いた通り、白・黒・グレーのモノトーンコーデに変化をつけたいときには、カーキが使えます。
羽織るだけでワイルドなカッコ良さが演出できる魅力的なアイテム、それがミリタリージャケットです。