「パンツを買いたいけど、違いがよくわからない……」
「『テーパード』とか『クロップドパンツ』とか、何?」
ファッション用語は、一見して意味がわからないものも多いですよね。
でも、簡単なカテゴリ分けがわかれば、それほど難しくはありません。
まずは、代表的なメンズパンツの種類から押さえていきましょう。
何となくの分類がわかれば、アイテム選びがラクになります。
できるだけわかりやすく、パンツの種類と特徴を説明していきますので、さっそくチェックしていきましょう!
「『ズボン』と『パンツ』って何が違うの?」という方は、こちらからどうぞ。
主なパンツの種類(素材、シルエット、デザインによる違い)
はじめに、代表的なボトムスの種類を見ていきましょう。
まずは、お店で見かけることが多いボトムスを、きれいめ~ラフの順に並べてみました。
スラックス
チノパン
ジーンズ
カーゴパンツ
サルエルパンツ
スウェットパンツ
スラックスはフォーマルな印象。スウェットパンツはカジュアルな印象です。
これらのボトムスは、素材やシルエット、デザインによって分けられます。
以下、それぞれ代表的なものを挙げてみます。
素材による違い
ジーンズ(デニム・パンツ)
ボトムスの大定番「ジーパン」。あなたも1枚は持っているのではないでしょうか?
ジーパンとは、ジーン(デニム)素材で作られたパンツのこと。
よく似た3つの言葉(ジーンズ、デニム、ジーパン)の違いは以下の通りです。
ジーンという素材(細綾織りでインディゴ・ブルー染めの丈夫な綿織物)、あるいは、その布でできたパンツを指します。
<デニム>
綾織の厚手綿織物。デニムの語源は「serge de Nime(セルジュ・ドゥ・ニーム)」というフランス語。直訳するとニームの綾織。フランス・ニーム地方の特産品だったサージ(右綾織物)がデニムの発祥と言われています。
<ジーパン>
ジーンズ素材でできたパンツ(和製英語)。
「ジーンズが英語、デニムがフランス語、ジーパンが日本語」と覚えておくとわかりやすいですね。
ジーンズは、どんなアイテムにも合わせやすい万能アイテム。濃いめの色、装飾のないシンプルなデザインなら、オールシーズン使えます。
最近は細身シルエットのジーンズが主流になっていますね。
チノ・パンツ(チノパン)
チノパンは、丈夫な綾織の綿布の一種「チノ・クロス」でつくられたパンツ。和製英語です。
ベージュやカーキ、ネイビー、ブラウンなどの色があります。
コーデュロイ・パンツ
コーデュロイは、縦ラインが入ったベルベット織物。けばが縦方向の畝(うね)になっています。冬物のカジュアルウェアに使われる素材です。
コーデュロイは「コール天」とも呼ばれます(最近ではあまり言われなくなりましたが……)。
この「天」は一体何なのか?
これは、ビロードの和名「天鵞絨(てんがじゅう)」に由来するものなのだとか。ビロードは、ベルベットの別名です。
コーデュロイは、流行りすたりのある素材です。個人的な肌感覚では、10年サイクルで人気が高まる印象。
スウェット・パンツ
スウェットは、パーカーやトレーナーなどでおなじみのニット素材です。
厚手の布で作られた収縮性のある生地で、汗をよく吸うため、スポーツウェアに使われます。
トレーニングウェアの「ジャージ」もスウェットの仲間です。
綿やウール、ポリエステルなどの化繊が使われます。
シルエットによる違い
ストレートパンツ
スタンダードなパンツです。直線的なシルエットで、流行にとらわれないシンプルな美しさ。
スリムパンツ
全体に細身なシルエットのパンツ。
スキニーパンツ
身体のラインにぴったりとフィットしたシルエットのパンツ。スキニーは「皮状の、痩せこけた、ほっそりとした」を意味します。
近年、メンズパンツは細身のシルエットが主流になっており、ストレートの商品名でもかなり細身だったりします。反対に、スキニーの名で販売されているものが、割と余裕のあるスリムパンツであることも多く、このあたりの線引きも曖昧になっているように感じます。
テーパードパンツ
裾に向かってだんだん細くなっているパンツ。テーパードは「先細りになった」を意味します。
最近は、どこへいってもテーパード!テーパード!テーパード! スッキリと着こなせるシルエットで、メンズ・レディースともに人気の高いアイテム。細身のパンツがはけない人でも、腰回りにゆとりがあるので、無理なく取り入れられます。
ワイドパンツ
全体に幅が広いパンツ。ゆったりとしたシルエットが特徴のバギー・パンツ、2015年頃からレディースで大流行しているガウチョ・パンツもワイドの一種と言えるでしょう。
クロップドパンツ
裾が途中で切り落とされた(=クロップド)ような形のパンツ。シルエットや丈の長さはいろいろです。足首丈のパンツは、アンクル・パンツと呼ばれます。
カーゴパンツ
大きなポケットが両側についたパンツ。カーゴは貨物を意味し、貨物船の乗員がはいていたパンツに由来します。作業用のワーク・パンツの一種で、ざっくりとしたカジュアルな印象です。
サルエルパンツ
股の部分がゆったりとしたデザインで、足首にかけて細くなっているパンツ。もともとはイスラム文化圏の民族衣装ですが、現在はジーンズなどカジュアルアイテムとして取り入れられています。
股の部分にちょっとだけゆとりをもたせた、さりげないサルエルパンツもあるので、お腹回りやお尻が気になる人にはおすすめです。
リブパンツ
裾がキュッとゴムで絞られているパンツ。リブ編みになっているものや、中にゴムが通してあるタイプなど。ユニクロで売り出し中のジョガーパンツは後者ですね。スウェットやデニム、チノなどの素材、デザインもさまざまです。
ブーツカットパンツ
膝から裾にかけて広がっていくシルエットのパンツ。ベルボトム、フレアーパンツとも呼ばれます。一昔前に流行ったデザインなので、今はあまりオススメはされないアイテムです。(もちろんオシャレにはきこなす人はいます)
もともとは、ウェスタンブーツと合わせてはきやすく、美しく見えるよう工夫されたものです。
長さによる違い
アンクル・パンツ
「アンクル・パンツ」は、9分丈、くるぶし丈のパンツ。足首やくるぶしを意味する「ankle」からこの名がつきました。
クロップド・パンツの一種です。
クロップド・パンツ
「クロップド・パンツ」は、長いズボンを途中で切り落としたような(=クロップド)形のパンツ。
シルエットや丈の長さはいろいろです。長いものもあれば、短いものもあります。一般的には6~8分丈パンツをさすことが多いようです。
半端丈のパンツの総称として使われることも多いので、購入するときは、丈の長さを確認しましょう。
ハーフ・パンツ
「ハーフ・パンツ」は、ひざ丈パンツのことです。文字通り、長ズボンのハーフ(半分)だから、半ズボンですね。
クォーター・パンツ
「クォーター・パンツ」は、太もも丈(2~3分丈)のパンツ。クォーターは「1/4」を意味します。
学校の体操着として着た人も多いのではないでしょうか。
ショート・パンツ
「ショート・パンツ」は、ひざ上丈のパンツ。
長さに厳密な定義はありませんが、ハーフ・パンツやクォーター・パンツより短い丈のものをさすことが多いです。
半ズボンやショート・パンツなど、短いパンツの総称として「ショーツ」という呼び方もあります。
ウエストの位置による違い
股の下からパンツ上部までの長さによって印象は変わります。
<ハイウエスト(はき込み深め)>
ジーンズ全体の長さがあるので、上手に着れば足が長く見えます。ウエストまわりにボリュームがある人は圧迫感があり、着心地はよくないかもしれません。
<ノーマル(へその位置)>
スタンダードなデザインです。無難でおすすめ。
<ローライズ(はき込み浅め)>
お尻が小さく見えます。腹部を圧迫せず、ラクにはけますが、浅すぎると下着が見えるので注意。
まとめ
以上、メンズパンツの種類と特徴をまとめました。
スラックス
チノパン
ジーンズ
カーゴパンツ
サルエルパンツ
スウェットパンツ
それぞれの違い、何となく理解できましたか?
・素材
・シルエット
・長さ
・ウエストの位置
パンツを選ぶときには、これらの点に注目すると、「何が違うのか?」わかりやすくなります。
また、カテゴリ分けのイメージがあれば、知らない言葉を聞いたときでも混乱することはありません。
どうでしょう、ちょっとはファッションへの苦手意識、和らぎませんか?
この調子で、着実におしゃれ経験値を貯めていきましょう!
メンズパンツの選び方については、こちらで詳しく解説していますので、興味のあるかたはぜひ。